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地震保険の補償範囲はどこまで?全損半損一部損の違いと確認ポイント

豆知識

新里 敏春

筆者 新里 敏春

不動産キャリア6年

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すでに地震保険へ加入しているものの、自分の補償範囲がどこまでカバーされているのか、全損や一部損になった場合にどの程度保険金が支払われるのか、不安に感じていませんか。
いざ大きな地震が起きたとき、全損・半損・一部損といった損害区分の違いを理解しているかどうかで、生活再建の見通しは大きく変わります。
さらに、契約しているのが建物か家財かによっても、補償の対象や金額は異なります。
この記事では、地震保険の基本的な補償範囲から全損・半損の基準、実際にいくら受け取れるのかの確認方法まで、加入済みの方が押さえておきたいポイントをやさしく整理します。
ご自身の契約内容を見直すきっかけとして、ぜひ最後までお読みください。

地震保険の補償範囲と対象を整理しよう

地震保険は、居住用の建物や家財が地震・噴火・津波を原因として火災・損壊・埋没・流失などの被害を受けた場合に保険金が支払われる仕組みです。
一方で、同じ地震が原因であっても、地震動による地割れや液状化で生じた地盤そのものの被害、門や塀など一部の工作物などは補償の対象外となる場合があります。
また、地震による停電や交通障害などで生じた経済的損失や、建物の老朽化・施工不良に起因する損害も原則として補償されません。
このように、地震保険は「どの災害が原因か」と同時に「どの部分の損害か」によって補償の可否が分かれる点を押さえておくことが大切です。

次に、補償の対象となる「建物」と「家財」の違いを整理しておく必要があります。
建物は、柱・梁・屋根・外壁などの主要構造部や、これらに付属する住宅設備を含む住まい全体を指し、居住のために固定されている部分が中心です。
一方、家財は、家具・家電製品・衣類など、生活に用いる動産であり、事業用の設備や自動車、貴金属の一部などは対象外とされています。
ご自身の契約を確認する際には、建物のみ加入なのか、建物と家財の両方に加入しているのか、約款や保険証券で対象区分を確かめることが重要です。

さらに、地震保険は単独では契約できず、火災保険とセットで契約する仕組みになっています。
建物や家財の地震保険金額は、原則として火災保険金額の30〜50%の範囲で設定することとされており、火災保険と同額を付けることはできません。
また、火災保険では地震・噴火・津波を原因とする火災や倒壊などの損害は補償対象外であり、これらは地震保険でのみ補償される点も重要なポイントです。
そのため、現在の火災保険の保険金額と、そこから設定されている地震保険金額との関係を把握しておくことが、補償内容を理解するうえで欠かせません。

確認項目 建物のポイント 家財のポイント
補償される災害 地震・噴火・津波起因の損害 地震・噴火・津波起因の損害
補償の対象物 柱・梁・屋根など住まい本体 家具・家電・衣類など生活動産
火災保険との関係 火災保険金額の30〜50%設定 火災保険金額の30〜50%設定

全損・大半損・小半損・一部損の基準と支払割合

地震保険では、建物や家財の損害の程度に応じて「全損」「大半損」「小半損」「一部損」のいずれかに区分されます。
この区分は、主要構造部の損害額が時価額に対してどの程度に当たるかといった基準に基づいて定められます。
具体的には、主要構造部の損害額の割合や、焼失・流失の有無、床上浸水などの状況を総合的に判断して認定されます。
こうした統一的な基準があることで、大規模災害時でも迅速かつ公平な保険金支払いを行いやすくなっています。

損害区分ごとの支払保険金は、保険金額に一定の割合を乗じて算出されます。
現行制度では、全損は保険金額の100%、大半損は60%、小半損は30%、一部損は5%が支払われ、いずれも時価額を上限とする仕組みです。
実際の修理費用そのものではなく、このような定額の支払割合としているのは、被害が集中した際にも短期間で多くの保険金を支払うためです。
そのため、加入者としては、現在の保険金額と各区分の支払割合を把握し、自己負担となる可能性のある部分も含めて生活再建の備えを考えることが重要です。

なお、地震保険の損害区分は、2017年1月1日以降始期の契約から「全損・半損・一部損」の3区分から、「全損・大半損・小半損・一部損」の4区分に細分化されました。
これは、従来「半損」とされていた中で、実際の被害程度に差が大きいとの指摘があり、より実情に即した保険金水準とするために見直されたものです。
細分化によって、大きな被害を受けた場合には従来より高い支払割合となる一方、比較的軽い半損に相当するケースは小半損として整理されました。
2016年末以前に始期を持つ古い契約では、現在とは異なる損害区分や支払割合が適用されている可能性があるため、ご自身の保険証券で始期と区分名称を確認しておくことが大切です。

損害区分 損害の主な目安 支払われる保険金割合
全損 主要構造部の大規模損害 保険金額の100%
大半損 主要構造部の相当大きな損害 保険金額の60%
小半損 主要構造部の中程度の損害 保険金額の30%
一部損 主要構造部の一部損害 保険金額の5%

加入済みの地震保険で自分の補償内容を確認する方法

まずは、手元の保険証券で「保険の種類」「保険の対象」「保険金額」の欄を確認することが大切です。
あわせて、別冊の約款や重要事項説明書に記載されている「地震保険に関する特約」「地震による損害の区分」といった項目を探すと、全損・大半損・小半損・一部損ごとの支払割合が整理されています。
さらに、地震保険金額の上限は建物5,000万円・家財1,000万円と法律で定められているため、現在の契約金額がその範囲内で設定されているかもあわせて確認しておくと安心です。

次に、建物と家財それぞれの保険金額を見て、全損や一部損となった場合の受取額を簡単に試算してみると、補償イメージがつかみやすくなります。
たとえば、建物の地震保険金額が2,000万円の場合、全損なら2,000万円、一部損なら保険金額の5%で100万円が上限となります。
家財の地震保険金額が600万円であれば、全損で600万円、一部損では30万円が支払われる上限となるため、現在の貯蓄や再建費用の目安と比べて十分かどうかを検討してみてください。

あわせて、契約ごとに定められている免責や支払われないケース、支払限度額も必ず確認しておくことが重要です。
地震保険では、対象が居住用建物と家財に限定されており、門や塀など一部の工作物は補償対象外とされるほか、地震発生から一定期間を超えて発生した損害は支払の対象外とされる場合があります。
また、地震保険全体としては、1回の地震等あたりの総支払限度額が定められており、その金額を超える巨額の損害が発生したときには、個々の契約者に支払われる保険金が削減される可能性がある点も、約款や案内資料で確認しておくとよいでしょう。

確認項目 見るべき書類 主なチェック内容
補償範囲の確認 保険証券と約款 対象災害と損害区分
保険金額の確認 保険証券 建物家財の金額
支払条件の確認 約款と案内資料 免責と支払限度額

補償範囲と保険金額を見直したいと感じたときの基本的な考え方

まずは、現在の生活状況と住宅の評価額、そして貯蓄額やその他の資金を整理しておくことが大切です。
地震保険は、建物や家財の時価額を上限として、全損なら保険金額の100%、大半損60%、小半損30%、一部損5%が支払われる仕組みになっています。
ただし、そもそもの地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30〜50%の範囲でしか設定できず、建物は最大5,000万円、家財は最大1,000万円までという上限があります。
このため、住宅の再建費用全額ではなく、生活再建までの不足分を自助努力でどこまで補えるかを基準に、補償の厚さを検討することが重要です。

次に意識したいのは、地震保険が修理費用の「実費精算」ではなく、損害区分ごとの定額支払いであるという点です。
全損と認定されれば契約した地震保険金額の100%が支払われますが、修理費の合計額がそれを上回っても、差額が追加で支払われることはありません。
逆に、工夫して修理費を抑えたとしても、支払われる地震保険金が減ることはなく、区分と保険金額で金額が決まります。
したがって、万一の修理費や仮住まい費用を概算しつつ、地震保険でどこまでをカバーし、残りを貯蓄や他の備えで補うかを考えておくと安心です。

補償内容に不安がある場合は、事前準備を整えたうえで専門家へ相談すると、契約の過不足を具体的に確認できます。
相談前には、現在の保険証券と約款、住宅の築年数や構造、概ねの再建費用の見込み、家財の大まかな総額などを整理しておくとよいでしょう。
あわせて、現在加入している地震保険の保険金額が、火災保険の保険金額の何%に設定されているか、建物・家財それぞれの補償上限と損害区分の取り扱いをメモしておくことで、見直しの方向性を具体的に検討しやすくなります。

確認したい項目 現在の状況の整理 見直し時の着眼点
生活状況と貯蓄 家計の余力と蓄え 自助で賄える金額
住宅と家財の価値 おおよその時価額 再建に必要な目安
地震保険の設定 保険金額と損害区分 不足分と上乗せ余地

まとめ

地震保険は、地震・噴火・津波による建物と家財の損害をカバーし、全損・大半損・小半損・一部損ごとに支払われる割合が決まっています。
ただし、火災保険とのセット契約や、保険金額が時価額の範囲内かどうかによって、実際に受け取れる金額は大きく変わります。
「自分の契約で全損になったらいくら受け取れるのか」「一部損だと足りるのか」を具体的に知ることが、不安解消と見直しの第一歩です。
当社では、現在の保険証券を一緒に確認し、補償範囲や保険金額がご家庭の状況に合っているか丁寧にアドバイスいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

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新里 敏春

◇沖縄県出身 業界歴6年

◇保有資格:損害保険/生命保険/募集人資格※

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